2019年4月22日、
フィンランドで数々のガラスや陶磁器のデザインを手がけたデザイナー、
オイバ・トイッカさんが亡くなりましたね。89歳でした。
「20世紀におけるフィンランドを代表するデザイナー」
と言っても過言ではないオイバさん。
そんな彼が親交を深め、作品の制作チェックの一部を
任せていた日本人がいました。
有限会社Scopeの代表取締役社長、
平井千里馬(ひらい ちりま)さんです。
一度目にすると忘れられない名前の彼は、
一体どのような人物なのでしょうか?
また、有限会社Scopeとはどのような会社なの?
調べてみると、
彼がオイバさんに認められた理由が見えてきました。
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平井 千里馬 (ひらい ちりま)さんとは
愛知県豊橋市出身の47歳。
豊橋技術科学大学大学院修了後、2年間家具メーカーに勤務。
その後1999年に名古屋を本社とする有限会社スコープを設立し、
2000年にオンラインショップ「scope」をオープンし楽天市場に出店。
日本と北欧を中心に、国やスタイルにとらわれず、
長く使えて長く愛情を注げる商品を現地に赴きセレクトし、
販売しています。
個人的に一番気になっていた「千里馬」という名前の由来は
調べても見つけることはできませんでした…。残念。
平井さんは自他ともに認める「無駄嫌い」
自他ともに認める「無駄嫌い」というところから、
オンラインショップ scopeでは、
「長く使えてゴミにならない」という目線で
食器や家具など日用品を選び、販売しているそうです。
インターネットを使えばすぐに、
また100円ショップに行けばとても安価に、といった様に
気軽にモノを手に入れられる様になった昨今。
便利な反面、そうやって手に入れたモノは
気軽に手放してしまう気もしますよね。
そんな中で、
「物を買うということは、その先の生活を買うのと同じこと」
とする平井さん。
無駄嫌いと言うよりは、
モノや日々の出来事を大事にする人柄が垣間見える気がしますよね。
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オンラインショップ scopeが凄かった!
2000年に、まだ20代の平井さんが立ち上げた
オンラインショップ「scope」。
現在では北欧好きなら知らない人はいないショップとなっており、
楽天のショップオブザイヤーに2011年~2014年まで4年連続で選ばれ、
その後2017年、2018年にも選出されています。
(「楽天ショップオブザイヤー」とは毎年各ジャンルで
優秀な成績を残した店舗上位3店舗を
「楽天ショップオブザイヤー」として表彰。
楽天の出店店舗数は約4万店舗で、その中から特別賞含め
合計約100店舗が毎年選出。)
scopeの何がそんなにユーザーを引き付けるのでしょうか?
魅力 その1 「商品に対する熱い思い」
scopeで取り扱う商品の紹介文章は、
社長である平井さんが全て書いているそう。
少しちゃらけたゆるい文章の中にも、
「絶対にこれは使ってみるべきだ」という強いメッセージが
込められたかなり長い文章になっています。
あまり興味の無かった商品も、紹介文を読んでいると、
「へえ!そんなこだわりが!」
「そんな工夫が!」
と驚いているうちにいつしか
「使ってみたい!」
「欲しい!」
と思う様になってしまいます。
実際、いくつか欲しくなってしまい、
買い物カゴに入れてしまいました。(購入は検討中です・・・)
そんなユーザーの心にバシっと届く、
商品に対する熱い想いが更なるユーザーを
増やしていっているのですね。
魅力 その2 「日常に溶け込む様子が想像できる商品」
商品のページを見ると、日常の一コマを切り取った様な写真ばかり。
それも、いわゆる「おしゃれ」な日常ではなく、
どこかにありそうな、もしかしたら自分の家にもあり得る様な「日常」。
写真は、
「取り扱っている商品をなるべくリアルなシチュエーションで撮る」
ということを徹底しているそうで、
例えばお皿に食べ物が乗っている写真だったら、
実際に社員で合宿をして、朝から晩まで一緒に過ごしながら商品を使い、
写真を撮っていくのだそう。
最近では動画も取り入れられ、インスタグラムにもアップされています。
動画ともなると、更にリアルに商品の様子を知ることができますよね。
それが自分の欲しい商品だったら・・・。
自然と買い物カゴに入っていそうです(笑)
魅力 その3 「別注アイテム」
2019年4月22日に亡くなったフィンランドの巨匠 オイバ・トイッカさん。
彼のデザインしたイッタラ社のバード&エッグシリーズや、
繊細で可愛らしいガラス製品のフローラやカステヘルミなどの人気アイテム。
世界中にコレクターがいるこれらの商品を
ただ輸入販売するだけでなく、
scopeはオリジナルとして別注商品を作ってしまうのです。
scopeでしか手に入らない巨匠の作品。
これはユーザーとしては惹きつけられずにはいられませんよね。
また、オイバさんの作品だけでなく、
日本でも絶大な人気を誇る
フィンランドのインテリアブランド「artek」のStool60や、
熟練した職人の技術を生かして「道具」を作っている
日本のブランド「東屋」の皿などいくつもの商品を別注し、
販売しています。
まとめ
世界の巨匠に認められ、
多くの人に愛されるショップ、scopeを作った
平井千里馬さんについてリサーチしてきましたが、
いかがだったでしょうか?
創業当時は日本を出たことが一度も無かったという平井さん。
scopeでイッタラを取り扱う様になって初めてフィンランドに行き、
人々の「生活やモノを捨てない、大事にして引き継いでいく」
という考え方に魅了され、
そこから年に何度も足を運ぶようになったといいます。
scopeのヴィジョンには、
「物を届けるだけではなくて、
知りたいと思う正直な自分の気持ちを指針に
メーカーさんやデザイナーさん、物に関わる色々な人の気持ちや考えを聞き、歴史を調べ、僕たちが思ったことや感じたことと一緒に伝えていきたい。
物の背景にあるストーリーも含めて、
その物の良さや価値、意味を共有していきたい」とあります。
彼のこの様な、物や人に対する真っすぐで誠実な考え方が、
巨匠オイバさんの心を開いていったのでしょう。
今後も平井さんの扱う魅力あふれる物に
要注目ですね!
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